『新編 山小屋主人の炉端話』を読んでみて

2021-04-22

今回は『新編 山小屋主人の炉端話』という本を読んでみての感想です。気になる方への助けになれば幸いです。

山小屋という特殊な世界

私は、特に山登りやキャンプをするわけでもないのですが、たまに寄る図書館で気になり手に取った1冊でした。触れた事のない世界を、1冊の本で少しでも触れる事ができるのは嬉しいですね。

登山の時期になると開かれる山小屋には主人(管理人)がおり、1つ1つの山小屋に、一人一人の主人に苦労・葛藤・喜び・安堵がある。山小屋主人の山小屋、登山者、そして山への想いが垣間見える1冊に思えます。

新編とあるように、2001年東京新聞出版局から刊行された『山小屋の主人の炉端話』をベースに再編集されたのが、こちらの本になるようです。旧版から外れてしまった話も気になります。

何故、山小屋主人に?

私が読む前に一番気にしていたのは、何故、山小屋主人になったのかという点でした。1つの山がそんなに好きでなったのか、仕方なくなったのか、使命と運命を感じたのか・・・

本書34編のほとんどは、それぞれ別の方が書かれた内容ですので、どのように自分が山小屋主人になったかの経緯が書かれている事が多いです。例えば「親の山小屋主人を継いだ」という、よくありそうな話の中にも、山小屋という特別な世界だからこその苦労を垣間見る事ができます。

ほんの少しではありますが、山小屋主人としての仕事について触れる事が出来たのも大きいですね。印象的だった話の1つは、自分よりも大きい荷物を担いで山を登る主人の話。山小屋に良いトイレを、よりよい山小屋を。その一心で辛い山道を登っていく献身的な姿に胸を打たれます。

人だけではなく・・・

怖い話や不気味な話は苦手なのですが、不思議な体験の話は大丈夫な私。「雪女」の題名を見て、読むべきか少々迷いました(読みました)。山小屋の猫が、野生の狐と触れ合う話も、なかなかに不思議な話でした。

一見、作り話のように思える話も、山小屋という舞台だと緊張感が増すから不思議なものです(苦笑)。ちなみに本書は全てノンフィクションのようです。

山に行った事がない人ほど読んでほしい

おそらく、この本を読まれる多くは、普段から山登りをされたり、山に縁がある方々なのでしょう。もちろん、そういった方々にもオススメできる1冊です。

私からは、今まで山には全く触れる機会がなかった人にこそオススメしたい1冊だと思いました。個人的には、ぜひ学校の図書室にも置いて欲しいなと。

どこか知らない世界を知りたい時。年齢も、事情も、背景も違う山小屋主人達の物語に触れてみるのはいかがでしょうか。